地球上の光景とは思えない、世界地図にも載っていない場所 海の真ん中にある環礁というものを見ると、「コレって本当に地球上の光景？」って思うことがあります。
なぜならばそこは陸地なのに、普段我々が足をつけている地面とも違う様相ですし、形を見ても孤島、例えばとも違う。
そして環礁は小さいだけに、ハワイやグアム島のように世界地図にもはっきりわかるように載っていません。
つまり現場に行かないとお目にかかれないから、その不思議さはより一層増して、地球上の光景かと疑いたくなるほどです。
　
南太平洋の上空を飛行機で飛んでいると、海にまるで水彩画の筆で引いたような1本の線を目にします。
これを環礁と言います。
この線のような陸地はサンゴでできています。
環礁の礁とはサンゴ礁のことを指し、環は線がリング状になっていることを指します。
この線は実は1周する輪になっているのです。
環礁の成り立ちは進化論で有名なダーウィンの沈降説というのが有力とされています。このリング状のなかには元々島が無数にあって、それが徐々に沈んでいき、最終的に全て沈むとリング状のサンゴ礁だけになるわけです。
この環礁も場所によって様々ですが、ミクロネシア連邦チューク諸島のトラック（チューク）環礁は周囲約200km、直径約60kmもあります。ちなみに陸地自体の幅は20m前後でしょうか？　またマーシャル諸島共和国マジュロの環礁ではこの20mたらずの土地に街が出来上がって人が住んでいます。

環礁も近年の温暖化による海面上昇で無くなってしまう恐れがあります。
でもまだまだ知られていない環礁が地球上にたくさんあります。
海面上昇の危機に直面しているだけに、地図にもはっきりと載っていないこの不思議かつ美しい光景をいつまでも大切にしたいですね。

（写真本文／MasaMichishiro）
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